会社を辞めることが決まった際に、退職理由をどのように伝えればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、アンケート調査をもとに退職理由を「本音」と「建前」に分けてランキング形式で紹介します。
会社を辞める前に検討すべきことや、円満退職するためのポイントも解説するので参考にしてみてください。
退職理由に関するアンケート調査結果
退職理由に関してランダムに選んだ697人に対し、以下のアンケートを実施しました。
- 本音の退職理由
- 建前の退職理由
- 離職につながった会社都合のトラブル事例
この結果について詳しく解説します。
退職理由の本音ランキング
正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「本音の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
退職理由の本音 | 票数(割合) |
---|---|
肉体的、精神的健康を損ねた | 270票(13.0%) |
人間関係が悪かった | 208票(10.0%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 181票(8.7%) |
給与が低かった | 133票(6.4%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 128票(6.2%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 122票(5.9%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 118票(5.7%) |
ノルマや責任が重すぎた | 100票(4.8%) |
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 99票(4.8%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 95票(4.6%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 85票(4.1%) |
キャリアアップしたかった | 83票(4.0%) |
社風が合わなかった | 77票(3.7%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 73票(3.5%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 59票(2.8%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 47票(2.3%) |
勤務地が遠かった | 42票(2.0%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 41票(2.0%) |
家庭の事情 | 39票(1.9%) |
雇用形態に満足できなかった | 20票(1.0%) |
会社が倒産した | 10票(0.5%) |
リストラされた | 9票(0.4%) |
その他 | 40票(1.9%) |
本音の退職理由で最も多かったのは「肉体的、精神的健康を損ねた」でした。過度な労働やストレスが多い職場環境が要因していると考えられます。
他には人間関係や労働条件、給与面などの会社への不満が多くを占めています。
退職理由の本音には、労働環境が起因する健康被害や会社に対する不満など、外部要因によるものが多い結果となりました。
【男性】退職理由の本音ランキング
男性が正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「本音の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
【男性】退職理由の本音 | 票数(割合) |
---|---|
肉体的、精神的健康を損ねた | 127票(13.9%) |
人間関係が悪かった | 95票(10.4%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 83票(9.1%) |
給与が低かった | 64票(7.0%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 63票(6.9%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 58票(6.3%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 56票(6.1%) |
ノルマや責任が重すぎた | 45票(6.1%) |
キャリアアップしたかった | 44票(4.8%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 41票(4.5%) |
社風が合わなかった | 36票(3.9%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 33票(3.6%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 33票(3.6%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 27票(2.9%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 24票(2.6%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 22票(2.4%) |
家庭の事情 | 14票(1.5%) |
勤務地が遠かった | 11票(1.2%) |
雇用形態に満足できなかった | 8票(0.9%) |
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 8票(0.9%) |
会社が倒産した | 6票(0.7%) |
リストラされた | 6票(0.3%) |
その他 | 12票(1.3%) |
全体ランキングと同じく労働環境の悪さがトップを占めています。男性に多い本音の退職理由としては、「他にやりたい仕事がある」や「キャリアアップ・成長したい」などが挙げられ、将来に対する不安が見られる結果となりました。
自分の将来のビジョンをしっかり持った向上心の強さがうかがえます。
【女性】退職理由の本音ランキング
女性が正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「本音の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
【女性】退職理由の本音 | 票数(割合) |
---|---|
肉体的、精神的健康を損ねた | 143票(12.3%) |
人間関係が悪かった | 113票(9.7%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 97票(8.3%) |
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 91票(7.8%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 70票(6.0%) |
給与が低かった | 69票(5.9%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 66票(5.7%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 62票(5.3%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 55票(4.7%) |
ノルマや責任が重すぎた | 55票(4.7%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 44票(3.8%) |
社風が合わなかった | 41票(3.5%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 40票(3.4%) |
キャリアアップしたかった | 39票(3.4%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 32票(2.8%) |
勤務地が遠かった | 31票(2.7%) |
家庭の事情 | 25票(2.2%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 25票(2.2%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 17票(1.5%) |
雇用形態に満足できなかった | 12票(1.0%) |
会社が倒産した | 4票(0.3%) |
リストラされた | 3票(0.3%) |
その他 | 28票(2.4%) |
女性の本音の退職理由も労働環境の悪さが上位にきており、会社への不満は男女問わず多くの人が抱えている問題と言えるでしょう。
一方で「結婚や出産などのライフイベントのタイミング」が4位になっている点が男性との大きな違いです。女性はライフイベントとなる結婚や出産を機会に、退職を考える人が多いことが分かります。
退職理由の建前ランキング
正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「建前の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
退職理由の建前 | 票数(割合) |
---|---|
肉体的、精神的健康を損ねた | 161票(16.6%) |
キャリアアップしたかった | 144票(14.8%) |
家庭の事情 | 117票(12.1%) |
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 111票(11.4%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 59票(6.1%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 40票(4.1%) |
人間関係が悪かった | 36票(3.7%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 31票(3.2%) |
勤務地が遠かった | 29票(3.0%) |
給与が低かった | 27票(2.8%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 26票(2.7%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 24票(2.5%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 20票(2.1%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 17票(1.8%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 15票(1.5%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 15票(1.5%) |
社風が合わなかった | 14票(1.4%) |
ノルマや責任が重すぎた | 14票(1.4%) |
リストラされた | 10票(1.0%) |
会社が倒産した | 9票(0.9%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 6票(0.6%) |
雇用形態に満足できなかった | 6票(0.6%) |
その他 | 39票(4.0%) |
建前の退職理由で最も多かったのは、本音の退職理由と同じく「肉体的、精神的健康を損ねた」となりました。
体調の悪化は会社としてもこれ以上働かせるわけにはいかないので、本音でも建前としても使いやすい退職理由となっています。
他には「キャリアアップや自己成長のため」や「家庭の事情」「ライフイベントのタイミング」が上位を占めています。
会社への不満やネガティブな理由が本音としてある一方で、建前では会社への不満を伝える人が少ないことが分かります。
【男性】退職理由の建前ランキング
男性が正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「建前の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
【男性】退職理由の建前 | 票数(割合) |
---|---|
キャリアアップしたかった | 80票(17.7%) |
肉体的、精神的健康を損ねた | 74票(16.3%) |
家庭の事情 | 47票(10.4%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 36票(7.9%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 24票(5.3%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 20票(4.4%) |
給与が低かった | 19票(4.2%) |
人間関係が悪かった | 18票(4.0%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 17票(3.8%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 15票(3.3%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 13票(2.9%) |
勤務地が遠かった | 10票(2.2%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 10票(2.2%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 9票(2.0%) |
社風が合わなかった | 8票(1.8%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 7票(1.5%) |
リストラされた | 7票(1.5%) |
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 6票(1.3%) |
会社が倒産した | 5票(1.1%) |
ノルマや責任が重すぎた | 5票(1.1%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 4票(0.9%) |
雇用形態に満足できなかった | 3票(0.7%) |
その他 | 16票(3.5%) |
男性の建前の退職理由で最も多かったのは「キャリアアップしたいため」でした。他には「仕事内容が自分に合わない」ことや「やりがいを感じず自信を失った」など仕事への適応力に関する理由が多いです。
「やりがいを持ってキャリアアップしたい」という熱意を会社に伝えて、穏便に退職したい男性が多い結果だと考えられます。
【女性】退職理由の建前ランキング
女性が正社員で働いていた勤務先をはじめて退職したときの「建前の退職理由」を調査した結果は以下のとおりです。
【女性】退職理由の建前 | 票数(割合) |
---|---|
結婚や出産などのライフイベントのタイミング | 105票(20.3%) |
肉体的、精神的健康を損ねた | 87票(16.8%) |
家庭の事情 | 70票(13.5%) |
キャリアアップしたかった | 64票(12.4%) |
自分がやりたい仕事ではなかった | 23票(4.4%) |
労働時間・休日・休暇の条件が不満だった | 20票(3.9%) |
勤務地が遠かった | 19票(3.7%) |
人間関係が悪かった | 18票(3.5%) |
やりがいや達成感を感じなかった・仕事内容が面白くなかった | 9票(1.7%) |
仕事が上手くできず自信を失った | 9票(1.7%) |
ノルマや責任が重すぎた | 9票(1.7%) |
給与が低かった | 8票(1.5%) |
セクハラ・パワハラ等のハラスメントを受けた | 8票(1.5%) |
会社の経営方針・経営状況が変化した | 7票(1.4%) |
会社の将来性に疑問を感じた | 7票(1.4%) |
自分の成長が止まった・成長を感じられなかった | 7票(1.4%) |
上司や経営者の仕事の仕方が気に入らなかった | 6票(1.2%) |
社風が合わなかった | 6票(1.2%) |
会社が倒産した | 4票(0.8%) |
リストラされた | 3票(0.6%) |
雇用形態に満足できなかった | 3票(0.6%) |
昇進や評価・人事制度が不満だった | 2票(0.4%) |
その他 | 23票(4.4%) |
女性の建前の退職理由で最も多かったのは「結婚や出産などのライフイベントのタイミング」となりました。
家庭の事情や結婚・出産などのライフイベントは、会社としても受け入れやすい退職理由だと考えられます。
「キャリアアップや自己成長したい」も建前の退職理由として上位を占めているので、男性と同じくポジティブな理由を述べて穏便に退職したい人が多いことがうかがえます。
離職につながった会社都合のトラブル事例
離職につながった会社都合のトラブル事例を調査した結果は以下のとおりです。
離職につながった会社都合のトラブル | 票数(割合) |
---|---|
常に人手不足で休めない状況だった | 125票(22.7%) |
パワハラやセクハラが横行していた | 123票(22.4%) |
希望した日に有給を取得できなかった | 68票(12.4%) |
会社から一方的に労働条件を変更された | 45票(8.2%) |
退職を申し出ても引き止められ辞めさせてもらえなかった | 43票(7.8%) |
希望に反する人事異動があった | 42票(7.6%) |
残業代の未払いがあった | 37票(6.7%) |
会社の倒産やリストラ | 24票(4.4%) |
商品の買い取りや経費の自己負担を強いられた | 13票(2.4%) |
結婚・出産・育児・介護などが理由で会社に退職を求められた | 6票(1.1%) |
その他のトラブルがあった | 2.4票(4.4%) |
離職につながった会社都合のトラブルは「休日が取れない」ことや「ハラスメントなどの人間関係の悪さ」が上位を占めています。
労働環境の悪化やワークライフバランスの乱れは、離職につながる大きな要因となっていることが分かりました。
労働環境の悪化によるストレスは、心身の不調をきたす原因となります。退職理由の上位を占める「肉体的・精神的体調」の悪化にもつながっていると考えられます。
退職はいつでも可能!辞める前に検討するべきこと
退職はいつでも可能です。納得のいく退職をするためには、会社を辞める前にまずは以下の事項を検討するといいでしょう。
- 信頼できる上司や同僚がいる場合は相談する
- 人事部や役員に話し合いを持ちかける
- 必要最低限の人間関係にする
- トラブルの要因を考える
- 自分の考え方を変える
- 余裕をもって退職できるよう給料の3ヵ月分を貯蓄しておく
詳しく解説します。
信頼できる上司や同僚がいる場合は相談する
退職する前に検討するべきことの1つ目は、信頼できる上司や同僚が一人でもいる場合は相談することです。職場に信頼できる人がいる場合は相談してみることで、本当に辞めるべき問題なのかが客観的に把握できます。
辞める意思が固く、新たな挑戦がしたい思いが伝われば、背中を押してくれるかもしれません。ただし、相手を間違えてしまうと無理に引き止められたり、噂が広がって働きづらくなってしまったりするので、口が堅く、約束を守れるような相手を選びましょう。
人事部や役員に話し合いを持ちかける
退職する前に検討するべきこととして、人事部や役員に話を持ちかけることが挙げられます。人事部の役員は、現場で起きている詳細まで把握できていないケースが多いため、相談すると会社が問題を認識して動いてくれる可能性があります。
会社に相談窓口が設置されていれば、直接上層部に連絡することが可能です。窓口がなければ、直属の上司や人事部の担当者に話を持ちかけてみるのも良いでしょう。
必要最低限の人間関係にする
退職する前に検討するべきこととして、必要最低限の人間関係にする方法もあります。関わる人間が多くなるほど、人間関係のストレスは増えていくものです。
以下のように最低限の付き合いをすることで、人間関係のストレスは少なくできるでしょう。
- 飲み会に誘われても理由をつけて断る
- 職場では仕事以外のプライベートな会話はしない
- 自分の仕事に集中する
しっかり仕事ができており最低限のコミュニケーションが取れていれば、職場で浮くことも少ないです。コミュニケーションが少なくても、会社での立ち回りが適切であれば、結果として人間関係がうまくいきやすいでしょう。
トラブルの要因を考える
退職する前に検討するべきことの4つ目は、トラブルの原因を考えることです。たとえば人間関係のトラブルであれば、自分に対して当たりが強い人がいる場合があります。
当たりが強い人とは距離を置いて接する回数を少なくするなど工夫が必要です。また、自己分析ができていない人は「仕事が自分に合っていない」「成長できない」という悩みに繋がりやすいです。
自己分析を入念に行うと、自分のやりたい仕事や向いている仕事が明確になり、今の仕事とのギャップが把握できるでしょう。
自己分析をしっかり行いたい場合は、転職サイトを利用すると無料の自己診断ツールが使えます。または転職エージェントに相談して客観的な意見を聞いてみるのもおすすめです。
自分の考え方を変える
退職する前に検討するべきこととして、自分の考え方を変えることが重要です。周りの人を変えるのは難しい場合もあるので、自分の考え方を変えてみましょう。
たとえば「あの上司はいつも偉そうに接してくるから嫌だ」と思っていても、相手からの接し方を変えるのは難しいです。
このような場合は、なるべく接する回数を少なくしたり、相手の言葉に左右されず自分の考えに集中したり、接し方を変えるのが有効です。
一度仕事が嫌になると何もかもが嫌になり、どんどん不満も増えていきます。冷静になって自分を客観的に見つめ直すことも大切です。
余裕をもって退職できるよう給料の3ヵ月分を貯蓄しておく
退職する前に検討するべきことの最後は、余裕を持って退職できるように、給料の3ヶ月分を貯蓄しておきましょう。
転職先を決めずに退職した場合は、ある程度の貯蓄がなければ転職活動に焦りが出てしまいます。転職に焦って今より悪い条件の会社に就職してしまうこともありえます。
転職活動期間は一般的に3ヶ月程度かかりますので、少なくとも給与の3ヶ月分の貯蓄を確保しておけば安心です。
仕事を辞める際は、次の転職先を決めておくと金銭的や精神的にも余裕が持てます。
問題が改善しない場合は退職して心機一転しよう
問題が改善しない場合は、退職して心機一転してみましょう。問題がある環境で働き続けても、あなたの成長につながる可能性は低いので、転職して新しい職場に目を向けるのも大切です。
退職の意思決定は会社ではなくあなた自身にあるため、辞めようと思えばすぐにでも辞められます。このまま働き続けても心身が疲弊していくだけで、成長できずに時間だけが過ぎていくと感じた場合は転職を考えるタイミングです。
一人ひとり自分に合う仕事や人間関係は違うため、退職して自分に合った職場を探してみるのもおすすめです。
円満退職するためにやるべきこと3選
円満退職するためにやるべきこと3選を紹介します。
- 退職理由は本音ではなく円満退職しやすい内容を用意する
- 退職理由を伝えるタイミングを配慮する
- 退職理由の伝え方を工夫する
ひとつずつ見ていきましょう。
退職理由は本音ではなく円満退職しやすい内容を用意する
円満退職するためにやるべきことの1つ目は、退職理由は本音ではなく円満退職しやすい内容を用意することです。
円満退職するためにポジティブな理由を伝えると、会社側に納得してもらいやすい傾向にあります。たとえネガティブな理由で退職するとしても、ポジティブな理由に変換することがポイントです。
ネガティブな退職理由 | ポジティブな理由への変換の例 |
---|---|
残業が多くて辛い | ワークライフバランスを整えて資格の取得に専念したい |
人間関係が良くない | お互いに助け合える仲間がいる環境で仕事がしたい |
仕事が自分に合っていない | 新たに挑戦したい仕事ができた |
ネガティブな理由で退職するからといって嘘をつくのはおすすめしません。嘘が職場の人にバレてしまえば、気まずくなり円満退職しにくくなります。
できるだけポジティブな退職理由を用意し、事実とかけ離れないように伝えましょう。
建前と嘘は異なるため注意する
退職理由を伝える際は、建前と嘘は異なるため注意が必要です。たとえば、家族が健康であるにも関わらず「家族が病気でどうしても退職しなければならない」といった嘘は避けましょう。
どうしても退職したいからといって過度な嘘をついてしまうと、バレたときに大きなトラブルになってしまいます。
ネガティブな理由を避けることも大切ですが、嘘をついてはいけません。
退職理由を伝えるタイミングを配慮する
円満退職するためにやるべきことの2つ目は、退職理由を伝えるタイミングを配慮することです。円満退職を叶えるためには、可能な限り退職日の3ヶ月前までに伝えるのがポイントです。
3ヶ月前に伝えると、業務の引継ぎや後任者の選定などの時間が十分に割けるので、職場を安心させられます。
また、退職を伝えるタイミングとしては以下の2つが適しています。
- 繁忙期直後を狙う
- 人事異動の前後は避ける
繁忙期が落ち着いた後であれば、上司も話を冷静に聞けるようになっているため、退職を伝えた際にスムーズに話が進みやすいでしょう。
人事異動の前後に退職を切り出してしまった場合、会社は改めて人員配置を考えなければいけないので、人事異動前後を避けるのが無難です。
退職理由の伝え方を工夫する
円満退職するためにやるべきことの3つ目として、退職理由の伝え方を工夫しましょう。退職を急に切り出してしまうと上司に驚かれて話が進みにくいので、下記のような流れで伝えてみましょう。
- 事前に上司にアポを取り、会議室など1対1で話せる場所を確保する
- 時間を取っていただいたことに感謝を伝える
- 申し訳ない気持ちを見せつつ、退職したい意思を伝える
- 具体的でポジティブな退職理由を伝える
- 退職希望日を提示する
退職理由と退職希望日を伝えた後に、退職して問題ないかを相談する流れになります。ポジティブな退職理由を伝えたうえで、退職の意思が固まっていることを明言すると話がスムーズに進みやすいです。
上司に納得してもらうためには退職の伝え方も工夫してみましょう。
円満退職に使える退職理由10選
円満退職に使える退職理由10選を紹介します。
- 今までの経験を活かして、より専門性の高い職に就きたい
- 新たな環境で可能性を広げたい
- 資格取得のための勉強に専念したい
- 海外留学をして学びを深めたい
- 独立して自分の力を試したい
- 体調を崩したため、しばらく療養したいと考えている
- 親の介護をしなければならなくなった
- 家業を継ぐことになった
- 夫の転勤により地方へ転居することとなった
- 結婚することとなり、育児や出産を考え退職を決意した
円満に退職するためには、前向きな理由を述べるのが最も重要です。たとえば、自分のキャリアアップや成長のために新たな環境で働きたいことや、独立・起業に向けてチャレンジしたいことが挙げられます。
ポジティブな理由を述べると、会社側は今の仕事では実現できないと判断されて背中を後押ししてもらえるはずです。
一方で「給与が低い」や「仕事が合わない」など、ネガティブな理由を述べてしまうと「改善するから残ってくれないか」と引き止められる可能性があるので注意しましょう。
また、親の介護や夫の転勤、結婚・出産を控えている人は、一身上の都合を述べるのもおすすめです。会社側は社員のプライベートにまで足を踏み入れられないので、やむを得ない理由として承諾してもらえるでしょう。
退職を言い出せない時や引き止められる場合は退職代行も視野に
退職を言い出せない時や引き止められる場合は退職代行も視野に入れましょう。退職代行とは自分の代わりに退職意思を伝えて、退職の手続きを代行してくれる便利なサービスです。
会社を辞めたいけど、人間関係やパワハラ等が問題で相談しにくい人も少なくありません。退職代行を利用すると、本人の代わりに退職の意向を勤務先へ伝えてくれるため、上司や同僚と顔を合わさずに退職ができます。
労働環境や人間関係などで精神的に苦痛を感じて、退職意思を伝えるのが怖いという人は退職代行の利用を検討してみましょう。
退職理由に関するよくある質問
退職理由に関するよくある質問に回答します。
一身上の都合以外で無難な退職理由は?
一身上の都合以外でおすすめの退職理由は「挑戦したい仕事ができた」や「独立や起業にチャレンジしたい」といったポジティブな理由です。
ただし、具体的にどんなことに挑戦したいのかはしっかり説明できるようにしておきましょう。
具体的な退職理由を掘り下げられた場合はどうしたらいい?
具体的な退職理由を掘り下げられた場合は、正直に伝えることをおすすめします。あまりに深いところまで掘り下げられる場合は「これ以上は個人情報になるので答えられません」と伝えると良いでしょう。
具体的な退職理由が思いつかない場合は、転職エージェントなど第三者に相談してみるのもおすすめです。