就労移行支援が向いてない人・合わない人の特徴【対処法や代替案はある？】

就労移行支援は障害のある人が働くために必要なスキルを学べる場所ですが、人によっては向いていない可能性もあります。

本記事では、就労移行支援が向いていない人の特徴や向いていなかった場合の対処方法に関して詳しく解説していきます。

就労移行支援が向いてない人の特徴

就労移行支援が向いてない人の特徴は以下の8つが挙げられます。

詳しく解説します。

就労移行支援が向いてない人①利用期間中の生活費分の貯蓄がない人

就労移行支援が向いてない人の特徴1つ目は、利用期間中の生活費分の貯蓄がない人です。

就労移行支援を利用しても、賃金は発生しません。長期間通うためには、生活費を少なくとも6ヶ月分ほど貯蓄しておくと安心です。

貯めるのが難しい場合は、家族からの仕送りや障害年金、失業保険などの制度を利用して生活費を確保できるようにしましょう。

就労移行支援が向いてない人②一人でも就職できそうな人

就労移行支援が向いてない人の特徴として、一人でも就職できそうな人が挙げられます。

例えば、「相談しなくても自分に合う求人を探せる」「履歴書の添削や面接対策が自分でできる」人は、就労移行支援を利用しなくても就職できるでしょう。

しかし、就労移行支援では就職後の支援なども行っているため、「就職したけど継続が難しい」と感じる人は利用することをおすすめします。

就労移行支援が向いてない人③専門スキルだけ身につけたい人

就労移行支援が向いてない人の特徴3つ目は、専門スキルだけ身につけたい人です。就労移行支援は、社会に出るときに必要なビジネススキルを中心に学びます。

ビジネススキル以外の特定の専門スキルを期待している人は、就労移行支援にはあまり向いていません。

しかし、就労移行支援のなかにはプログラミングやWebデザインといった専門スキルも学べる事業所も存在しています。

就労移行支援を利用する際は、専門スキルを学べる事業所が近くにあるかを探してみましょう。

就労移行支援が向いてない人④求人紹介だけ受けたい人

就労移行支援が向いてない人の特徴として、求人紹介だけ受けたい人が挙げられます。

就労移行支援は、就職準備から就職した後までを総合的にサポートしてくれるもので、求人紹介だけを受けるといったことはできません。

もし、求人紹介だけ必要であれば転職サイトを利用してみるといいでしょう。

就労移行支援が向いてない人⑤体調が回復していない・安定して通所できない人

就労移行支援が向いてない人の特徴5つ目は、体調が回復していない・安定して通所できない人です。

継続的に通えないと、必要なビジネススキルが身につかず、就職活動に影響を与える可能性があります。

安定した就職活動を行うためにも、体調管理やスケジュール管理が必要です。生活習慣や体調に問題があるのであれば、障害者の自立をサポートする「生活訓練プログラム」を受けてみることをおすすめします。

就労移行支援が向いてない人⑥すぐにでも働ける準備ができている人

就労移行支援が向いてない人の特徴には、すぐにでも働ける準備ができている人も挙げられます。

就労移行支援の期間は原則2年間です。時間をかけて学ぶ仕組みになっているため、コミュニケーションや自己管理ができている人であれば、不要となる可能性が高いです。

すぐにでも就職したいという場合は、転職エージェントを利用することをおすすめします。

就労移行支援が向いてない人⑦本気で就職する意欲がない人

就労移行支援が向いてない人の特徴7つ目は、本気で就職する意欲がない人です。例えば、「周囲に勧められたから」「何となく利用してみたかった」などの理由で通うと時間を無駄にする可能性もあります。

就職を考えていない人は、「自分が何をしたいか」を洗い出すことからはじめてみましょう。

就労移行支援が向いてない人⑧数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない人

就労移行支援が向いてない人の特徴として、数ヶ月通所しても就労意欲が湧かない人が挙げられます。

就職意欲が湧かないと、スキルを学んで就職したとしても離職する可能性が高いです。どうしても就職したくないと感じてしまう場合は、ハローワークや就労継続支援といった別の支援サービスを検討しましょう。

就労移行支援が向いてない人の対処法と代替案

就労移行支援が向いてない人の対処法と代替案は以下の6つです。

詳しく解説します。

就労移行支援が向いてない人の対処法①通所中の事務所を退所する

就労移行支援が向いてない人の対処法1つ目は、通所中の事務所を退所することです。現在の事業所が合わないと感じたら、事業所のスタッフに伝えるといつでも辞められます。

退所の1か月前に報告するといった義務もありません。しかし、事業所のなかには報酬目当てで辞める手続きをさせてくれないケースもあります。

1人では解決できそうにない場合は、お住まいの市役所にある障害福祉課に相談してみましょう。

就労移行支援が向いてない人の対処法②別事業所への転所を検討する

就労移行支援が向いてない人の対処法として、別事務所への転所を検討することが挙げられます。

事業所は、就労移行支援の利用開始から2年以内であれば何度でも変更が可能です。しかし、変更すると最初から学びなおしになったり、切り替え期間が発生することに注意しておきましょう。

切り替えの際は、事業所の見学や就職実績があるかどうかも確認しておくことが重要です。

就労移行支援が向いてない人の対処法③リワークデイケアや自立訓練を受ける

就労移行支援が向いてない人の対処法3つ目は、リワークデイケアや自律訓練を受けることです。

リワークデイケアは医療機関による復職を支援するもので、自律訓練は障害者の自立能力を高める福祉サービスとなっています。

実施されるプログラムは異なりますが、どちらも生活習慣の改善が可能です。利用するサービスは1つで構いません。

通いやすさが重要なため、お住いの地域で実施しているサービスがあれば相談しに行きましょう。

就労移行支援が向いてない人の対処法④就労継続支援を利用する

就労移行支援が向いてない人の対処法には、就労継続支援を利用することも挙げられます。

就労継続支援を利用すると、自分のペースで働きながら就業のための訓練を受けることが可能です。

作業内容は事務所によりますが、必要なスキルを身に着けたあとは、就労移行支援に移ることもできるようになっています。

就労移行支援が向いてない人の対処法⑤その他の就労・生活支援機関を利用する

就労移行支援が向いてない人の対処法5つ目は、その他の就労・生活支援機関を利用することです。

生活支援機関には、障害者就業・生活支援センターやハローワークなどがあります。就職を全面的に支援してくれるため、就職はしやすいですが生活面の訓練などはありません。

就職面の支援をメインにしてもらいたい人は、近くの支援機関を探してみましょう。

就労移行支援が向いてない人の対処法⑥転職エージェントを利用する

就労移行支援が向いてない人の対処法として、転職エージェントを利用することが挙げられます。

就労移行支援が向いてない人におすすめの転職エージェントは以下の3つです。

それぞれ解説します。

就労移行支援が向いてない人におすすめ①アットジーピー（atGP）

出典：atgp.jp

運営会社	株式会社ゼネラルパートナーズ
公開求人数	1,280件（2024年3月時点）
非公開求人数	非公開
対応地域	全国
拠点	東京本社 東京都千代田区内幸町2-1-1　飯野ビルディング9階
料金	無料

アットジーピー（atGP）は、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する障害者向けの転職サービスです。

15年以上運営してきたノウハウがあり、業界トップクラスの公開求人数を誇っています。

求人の幅が広いことが特徴で、正社員以外にも時短勤務や在宅勤務といった働き方も選択可能です。

自分に合った働き方を検討したい方におすすめの転職サービスとなっています。

就労移行支援が向いてない人におすすめ②dodaチャレンジ

出典：doda.jp/challenge

運営会社	パーソルダイバース株式会社
公開求人数	1,469件（2024年3月時点）
非公開求人数	非公開
対応地域	全国
拠点	東京本社 東京都港区港南1-7-18　A-PLACE品川東 6F
料金	無料

dodaチャレンジは、大手総合人材サービスのパーソルグループが運営している障害者向けの転職サービスです。

非公開求人数は業界最大級で、大手企業への転職実績が多いことが特徴となっています。また、2002年からサービスを展開してきた経験から、豊富なノウハウがあり安心して転職することが可能です。

安心できるサポートが欲しい方や大手企業に転職したい方におすすめです。

就労移行支援が向いてない人におすすめ③ランスタッド障がい者転職支援サービス

出典：randstad.co.jp.challenged

運営会社	ランスタッド株式会社
公開求人数	約300件
非公開求人数	非公開
対応地域	全国
拠点	東京本社 東京都千代田区紀尾井町4-1　ニューオータニガーデンコート21F
料金	無料

ランスタッド障がい者転職支援サービスは、世界規模で人材サービスを展開している企業ランスタッドが運営しています。

取り扱っている求人は年収が高く、正社員としての採用も多いことが特徴です。フルタイムで活動できる人が求められており、年収を上げたい方やスキルアップしたい方におすすめとなっています。

就労移行支援が向いてないと感じるのは事業所が合ってない可能性もある

就労移行支援が向いてないと感じる理由は以下の6つです。

就労移行支援が向いてないと感じる理由①事業所の方針や雰囲気が合っていない

就労移行支援が向いてないと感じる理由の1つ目は、事業所の方針や雰囲気が合っていないからです。

事業所と自分の考え方が異なると、適切な支援を受けられない可能性があります。雰囲気も自分に合わない場合は「就労移行支援は向いてない」と感じてしまうでしょう。

事業所を決める際は、見学に行きスタッフと相談して方針なども確認することをおすすめします。

就労移行支援が向いてないと感じる理由②合わない・嫌いなスタッフがいる

就労移行支援が向いてないと感じる理由として、合わない・嫌いなスタッフがいることが挙げられます。

事業所のスタッフとは交流する機会は多くあります。自分と合わない人に、態度を変えるなどの行動を取ってしまうと他の人からも悪く見られてしまうでしょう。

合わないスタッフがいる場合は、話しやすいスタッフに相談して対応策を考えましょう。

就労移行支援が向いてないと感じる理由③他の利用者と合わない

就労移行支援が向いてないと感じる理由の3つ目は、他の利用者と合わないからです。就労移行支援では、他の利用者とも交流する機会があります。

自分と合わない人と交流し続けると、気まずくなったりトラブルになったりする可能性も高いです。

利用者との関係性が良ければ問題ありませんが、難しいときは事業所の変更も検討しましょう。

就労移行支援が向いてないと感じる理由④訓練のレベルが低すぎる

就労移行支援が向いてないと感じる理由として、訓練のレベルが低すぎることが挙げられます。

訓練のレベルが低いと、継続して通っても就職活動では活かせない可能性が高いです。訓練のプログラムが練られている、ステップアップして着実に成長できる訓練がある事業所を選ぶようにしましょう。

就労移行支援が向いてないと感じる理由⑤厳しすぎる

就労移行支援が向いてないと感じる理由には厳しすぎることも挙げられます。例えば、「ミスをすると厳しい指導が入る」「課題の量が多い」などは厳しいと感じてしまうでしょう。

そのまま通い続けると次第に気力もなくなり、社会復帰の機会を失ってしまう可能性もあります。

厳しい環境を求めていれば別ですが、難しいと感じれば自分のレベルに合う事業所に変更することをおすすめします。

就労移行支援が向いてないと感じる理由⑥設備が整っていない

就労移行支援が向いてないと感じる理由の6つ目は、設備が整っていないからです。空調設備がない、スペックの低いPCしかないなど、快適に学習できる設備がないと学習意欲が低下してしまいます。

事業所を決める際は、自分が求める設備があるかを見学して確認するようにしましょう。

就労移行支援が向いてないと感じる人が自分に合った事務所を見つける方法

就労移行支援が向いてないと感じる人が自分に合った事務所を見つける方法を、以下の2つに分けて紹介します。

詳しく解説します。

自分に合った就労移行支援事業所の探し方

就労移行支援が向いてないと感じる人が、自分に合った事務所を探す方法は以下が挙げられます。

就労移行支援を継続的に利用していくには、通いやすさも重要です。どこまでなら通える範囲かを調べて、周囲にある事業所を絞り込んでみましょう。

自分に合った就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援が向いてないと感じる人が、自分に合った就労移行支援事業所を選ぶ方法は以下の4つです。

就労移行支援事業所を選ぶときは、実際に見学して検討を行いましょう。とくに自分が必要とするプログラムがあるか、利用した人の評価も併せて複数の事業所を見てみることをおすすめします。

就労移行支援が向いてないと感じる人が検討するべきおすすめ事務所

就労移行支援が向いてないと感じる人が、検討するべきおすすめ事務所は以下の3つです。

詳しく解説します。

キズキビジネスカレッジ

出典：kizuki-corp.com

運営会社	株式会社キズキ
対象障害	うつ病、発達障害
主なサポート内容	・専門スキル習得（会計、Webマーケティング、英語、Webライティングなど） ・キャリア/メンタル相談 ・就職対策
就職者数	非公開
就職率	44％（2020年度）
定着率	100%（2020年度）
対象地域	東京：新宿御苑校、新宿校 神奈川：横浜校 大阪：大阪校
事業所数	4
利用料金	0～37,200円

キズキビジネスカレッジは、うつ病や発達障害の方に向けた就労移行支援事業所です。専門スキルの講習を実施していることが特徴で、会計や英語、Webマーケティングなど幅広いスキルを学べます。

 

スキルは基礎から実践レベルまでサポートしているため、初心者からでも問題なく始めることが可能です。

専門スキルを身に着けたい方やIT業界などに就職したい方におすすめです。

ココルポート

出典：cocorport.co.jp

運営会社	株式会社ココルポート
対象障害	全て
主なサポート内容	・PCスキルトレーニング ・コミュニケーショントレーニング ・セルフマネジメントトレーニング ・ビジネスマナー研修 ・就職対策
就職者数	累計3,807名
就職率	非公開
定着率	87.0%（2022年度）
対象地域	関東：東京都、神奈川、千葉、埼玉、群馬 東海：愛知 近畿：大阪、兵庫 九州：福岡
事業所数	74
利用料金	0～37,200円

 

ココルポートは、全国に数多くの拠点を構える大手の就労移行支援事業所です。555種類以上の豊富なプログラムが特徴で、利用者のさまざまなニーズに応えてくれます。

また、交通費やランチの補助といった補助金制度もあり、利用者の金銭面の負担を軽減してくれます。

さまざまなプログラムを試してみたい方やお金を節約したい方におすすめです。

ウェルビー

出典：welbe.co.jp

運営会社	ウェルビー株式会社
対象障害	全て
主なサポート内容	・ビジネスマナー研修 ・就職対策 ・PCスキルトレーニング ・コミュニケーショントレーニング ・オフィスワークシミュレーション
就職者数	累計7,030名
就職率	非公開
定着率	91.3%（2022年度）
対象地域	全国
事業所数	33
利用料金	0～37,200円

ウェルビーは、業界最大手の就労移行支援事業所です。個人に合わせたカリキュラムを組んでくれることが特徴で、まわりに置いていかれる心配はありません。

また、カリキュラムのオフィスワークシミュレーションは、必要なスキルを実践形式で学べるため、着実にステップアップすることが可能です。

自分のペースで進めたい方や実践で学びたい方におすすめです。

就労移行支援が向いていないと感じる人からよくある質問

就労移行支援が向いていないと感じる人からよくある質問を紹介します。

コミュニケーションが苦手な人は就労移行支援に向いてない？

コミュニケーションが苦手な人が就労移行支援に向いてないわけではありません。就労移行支援では、コミュニケーションのトレーニングも行っており、苦手を克服することが可能です。

いきなり社会に出てしまうと、コミュニケーションスキルがある前提で仕事が進むため、苦手な人にとっては厳しくなります。

就労移行支援を通して、障害に理解のある人たちと接していくことで徐々に人に慣れ、コミュニケーション能力を高めることができるようになっています。

すぐに就職したい人は就労移行支援に向いてない？

すぐに就職したい人は就労移行支援はあまり向いていません。就労移行支援は、基本的に半年から2年間ほどじっくり学んでから社会に出る準備を整えていくからです。

しかし、就労移行支援を利用して、半年以内に就職できた人もいます。今すぐ就職したい人は、就労移行支援に週4〜5日は通う、伸ばしたいスキルを学べる講座のみ受講するなど計画的な行動が必要になるでしょう。

就労経験やスキルがある人は就労移行支援に向いてない？

就労経験やスキルがある人は就労移行支援に向いています。就労移行支援では、目的別に通うことも可能となっているからです。

例えば、「コミュニケーション能力を磨きたい」「スケジュール管理をできるようにしたい」など自分が苦手な分野を克服することに役立ちます。

苦手なことを放置しておくと、仕事に影響を及ぼす可能性もあるため、就労移行支援をうまく活用しましょう。

就労移行支援を利用しているのはどんな人？

就労移行支援を利用している人は以下が挙げられます。

就労移行支援は年齢制限があり18歳から利用可能です。学生でも18歳以上であれば、利用は認められています。

就労移行支援に向いている人の特徴は？

就労移行支援に向いている人の特徴は以下が挙げられます。

就労移行支援は不足しているスキルや生活習慣を改善することを目的としています。自分のことを理解し、就職活動に支障がないようであれば転職エージェントなどを利用しましょう。

就労移行支援の利用条件や対象者は？

就労移行支援の利用条件や対象者は以下になります。

対象となる年齢は利用開始時点を基準にしています。64歳で利用した場合は、65歳になっても継続可能です。

また、就労移行支援事業所によっては、対象としている障害なども違う可能性がある点に注意しておきましょう。

まとめ

就労移行支援は事業所ごとに特徴が異なり、相性次第では自分に向いてない可能性があります。

そのまま通い続けるのもよいですが、早く対処しておくことで時間を無駄にせず効率的に社会復帰を目指せます。

利用には2年間という期限もあるため、合わないと感じたら早めに事業所の変更や就労継続支援といった別の手段を検討しましょう。