固定残業代のメリットとデメリットを知りたい。
固定残業代とは、あらかじめ一定時間の残業代を給与に含める制度のことです。新卒入社や転職時に「固定残業代はやめとけ・やばい」という意見も少なくないため、実際はどうなのか気になる人も多いでしょう。
この記事では、固定残業代の会社はやめとけと言われる理由や、メリット・デメリット、固定残業代のホワイト企業の見極め方を紹介していきます。
固定残業代の仕組みや働くメリットを入社前に知っておきましょう。
- 固定残業代の会社はやめとけ・やばいと言われる理由
- 固定残業代の会社で働くメリット
- 固定残業代導入のホワイト企業の見極め方
- 固定残業代の会社から転職するためのおすすめ転職エージェント
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目次
固定残業代の会社はやめとけ・やばいと言われる理由
固定残業代の会社はやめとけ・やばいと言われる5つの理由を解説していきます。
- 未払いの懸念があるから
- 給料が低い場合があるから
- 帰宅しづらい雰囲気があるから
- 労働環境の改善は見込めないから
- 固定残業代が長いと激務の可能性があるから
ひとつずつ見ていきましょう。
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由①未払いの懸念があるから
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由の1つ目は、未払いの懸念があるからです。
固定残業代は企業からすると従業員の給与の管理がしやすいメリットがあります。しかし、企業がそのようなメリットをはき違えて、従業員の残業時間を曖昧に管理している場合、固定残業時間を超えた分は未払いになっているかもしれません。
従業員は固定残業時間を超えた分の残業代を受け取る権利がありますが、管理が曖昧な企業だと、申請しづらい雰囲気があります。
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由②給料が低い場合があるから
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由は、給料が低い場合があるからです。
固定残業代を取り入れている企業の給料は一見すると高く見えますが、実際に残業した時間で換算すると割安になっている場合もあります。
時間外労働は、給与の単価が上がるのが一般的です。割増賃金が考慮されていない場合は結果的に低い給料で働かさせている可能性があるので注意しましょう。
企業選びをする際は、固定残業代を含めた給与が適正な価格であるか事前に確認しておいてください。
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由③帰宅しづらい雰囲気があるから
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由として、帰宅しづらい雰囲気があるからです。
固定残業代という仕組み上、残業をしない場合でも従業員に支払われることになります。そのため、定時での帰宅が難しい雰囲気が漂っている可能性が高いです。
上司や先輩から、定時で帰ることに文句を言われたり、陰口を言われたりする事態も起こり得ます。
職場の雰囲気については、企業の口コミサイトなど、実際に働く人の声を参考にしてみると良いでしょう。
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由④労働環境の改善は見込めないから
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由の4つ目は、労働環境の改善は見込めないからです。
固定残業代は残業することを前提に働かされる制度です。そのため残業時間を減らすなどの労働環境の改善をするためには、固定残業代の制度自体を廃止する必要があります。
残業が多い労働環境で働き続けると、心身ともに疲弊して精神的に悪い影響を与える可能性もあるでしょう。
残業が当たり前になっている会社は、従業員の健康面を大きく損ねてしまう恐れがあります。
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由⑤固定残業代が長いと激務の可能性があるから
固定残業代はやめとけ・やばいと言われる理由の最後に、固定残業代が長いと激務の可能性があるからです。
会社によっては固定残時間が長く設定されているところもあります。例えば固定残業代が40時間の場合は、40時間分の残業をする前提で働かされます。
残業代があらかじめ支給されるとはいえ、長時間労働をすると分かった上で働かされるのは精神的にも辛くなっていきます。
企業選びをする際は、平均残業時間を事前に確認しておきましょう。
固定残業代の基準とは?30時間・40時間・45時間はやばい?
固定残業代とは、実際の残業時間にかかわらず、一定の残業代が支給される制度のことです。固定残業時間を超過した分については追加で残業手当を支給する必要があります。
固定残業時間の基準は会社によってさまざまですが、30時間を超える場合は、残業をする前提で働かされるので長時間労働を強いられる可能性があります。
残業時間については労働基準法で以下のように定められています。
- 1ヶ月の残業時間が45時間を超えてはならない
- 1年間の合計の残業時間は360時間を超えてはならない
毎月の残業時間が30時間を超えると、1年で360時間を超えるので労働基準法に違反することになります。
固定残業時間が30時間以上で設定されている会社は、法律を遵守する意識が低いと思われるので避けた方が良いでしょう。
やめとけ・やばいと言われる固定残業代の会社で働くメリット
固定残業代の会社で働くメリットには以下の6つが挙げられます。やめとけと言われる中にもメリットは存在していることを知っておきましょう。
- 残業しなくても支払われる
- 業務効率化で時給アップと時間確保が可能
- 毎月の給料が安定する
- 実際の残業時間より多くもらえる
- 育児等で残業代を抑えたい人も一定の残業代が支払われる
- 超えた時間分は追加残業代がもらえる
詳しく解説します。
メリット①残業しなくても支払われる
固定残業代のメリットの1つ目は、残業しなくても支払われる点です。
固定残業代は実際の残業の有無に関わらず残業代が支払われるシステムです。そのため、仮に残業が少なかった場合でも給与に影響を与えません。
早く仕事を終わらせるほど時給換算すると高くなるため、業務効率化のためモチベーションの向上も期待できます。
メリット②業務効率化で時給アップと時間確保が可能
固定残業代のメリットとして、業務効率次第で時給アップと時間確保が可能なことです。
固定残業代は残業時間が少なくても、決まった残業代が支払われるため、業務を効率化して早く帰宅できるようになれば高給を維持しつつプライベートも確保できます。
できるだけ早く仕事を終わらせるように協力し合うチームワークの向上も期待できるでしょう。
メリット③毎月の給料が安定する
固定残業代のメリットには、毎月の給料が安定することが挙げられます。
一般的な残業制度の会社では、残業がある月とない月とでは給与の額が変動します。しかし固定残業代の会社では、見込みの残業時間を超えない限り、毎月の給与は一定です。
基本給が低く設定されている企業では、残業がない月の給与が低くなり家計が苦しくなることもあります。
もともと残業代が給与に含まれている固定残業代の制度なら、安定した給料が欲しいと考えている人には大きなメリットです。
メリット④実際の残業時間より多くもらえる
固定残業代のメリットの4つ目は、実際の残業時間よりも多くもらえる場合があります。
固定残業代の会社では、実際の残業時間に関わらず一定の給与が支払われる制度です。つまり残業時間が少なくても残業代が支払われるので、実質的な年収がアップします。
特に繁忙期と閑散期がはっきりしている会社であれば、閑散期であっても十分な給与が支給されるので、実際の残業時間よりも多くもらえるのがメリットです。
メリット⑤育児等で残業代を抑えたい人も一定の残業代が支払われる
固定残業代のメリットとして、育児等で残業時間を抑えたい人も一定の残業代が支払われることです。
特に女性の場合、育児と仕事の両立のために残業時間を抑えると毎月の給与が減ってしまう場合があります。
固定残業代を導入している会社なら、育児等で残業時間が減ったとしても一定の残業代が支給されるので、家計を圧迫しにくいのがメリットです。
メリット⑥超えた時間分は追加残業代がもらえる
固定残業代のメリットとして、超えた時間分は追加の残業代が支払われることです。
固定残業代の会社は基準の残業時間を超えた分は支給されないと誤解されることが多いですが、基本的に超過分の残業代は支給されます。
つまり、最低限の残業代は維持できるうえで、超えた分は追加で支給されるので、残業代で年収を上げたい人にメリットが大きい制度です。
固定残業代を取り入れているホワイト企業はある?
固定残業代を取り入れているホワイト企業があるのかを解説します。ホワイト企業の固定残業代の取扱いについて見ていきましょう。
- ホワイト企業は固定残業代を導入しないことが多い
- 固定残業代制度導入の有無だけでホワイトかブラック企業は判断できない
詳しく解説します。
ホワイト企業は固定残業代を導入しないことが多い
固定残業代はそもそもホワイト企業は導入しないことが多いです。なぜなら固定残業時間を超えても残業代を支払わない企業があったことから、固定残業代には悪いイメージを持たれている場合が多いからです。
そのためホワイト企業を目指す会社なら、イメージ的な問題から固定残業代の導入を見送ることもあるでしょう。
ホワイト企業では設定された基本給から残業代を上乗せするのが一般的なので、導入するメリットも少ないようです。
固定残業代制度導入の有無だけでホワイトかブラック企業は判断できない
固定残業代の制度導入だけではホワイトかブラック企業かの判断は難しいです。固定残業代を導入して、従業員に適切な労働時間で十分な給与を支給している会社はホワイトと言えます。
しかし、固定残業代の制度を悪用して従業員に過重労働をさせて一定の給与しか支払わない会社はブラックと言えます。
実際にその会社で働いてみないと判断が難しいので、企業の労働環境が気になるのであれば、口コミサイトなどで実際に働く人の声を見てみるのをおすすめします。
固定残業代の会社にブラック企業が多いと言われている理由
固定残業代の会社にブラック企業が多いと言われる理由は、ブラック企業が制度を悪用して悪い印象が根付いたからです。
ブラック企業は残業時間が多くなっても、超過分の残業時間を支払わないのが特徴です。そのため、安い賃金で労働を強いられます。
- 固定残業代を含んだ給与が安い
- 固定残業時間が極端に多い
上記のような、ブラック企業が制度を悪用するケースがさまざまです。特に固定残業時間が45時間を超える場合は、労働基準法に違反するためブラック企業に該当する可能性があります。
固定残業代を取り入れている会社がホワイトかの見極め方
固定残業代を取り入れているホワイト企業の見極め方を9つ紹介します。以下に当てはまる企業はホワイトである可能性が高いのでチェックしておきましょう。
- 超過分が支払われるか
- 社員の平均勤続年数は長いか
- 基本給が相場より高いか
- 企業の安定性があるか
- 福利厚生は手厚いか
- ホワイト企業マークが付いているか
- 女性の社会進出や働きやすさに配慮しているか
- 平均残業時間は短いか
- 企業の知名度やネームバリューがあるか
詳しく解説します。
固定残業代導入企業の見極め方①超過分が支払われるか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方の1つ目は、超過分が支払われているかを確認しましょう。
固定残業時間を超えて働いた分には、サービス残業として給与を支給されない場合もあります。
超過分がきちんと支払われているかはホワイト企業を見極めるための重要なポイントです。条件面については求人票をしっかり確認するか、面接の時に質問をしておくことをおすすめします。
入社してから思っていた条件と違えば、想像とのギャップが生まれて早期離職してしまう可能性が高まります。
固定残業代導入企業の見極め方②社員の平均勤続年数は長いか
固定残業代を導入しているホワイト企業を見極めるために、社員の平均勤続年数が長いかチェックしましょう。
社員の勤続年数が長い会社は働きやすい会社であることを意味しています。つまり固定残業代に見合った労働時間を確保している可能性が高いです。
基準以上の労働をして一定の給料しか支給されなければ、社員の離職が多くなり平均勤続年数が低下します。
平均勤続年数は社員の満足度の高さを示しているので、ホワイト企業を見極めるための重要なポイントです。
固定残業代導入企業の見極め方③基本給が相場より高いか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方3つ目は、基本給が相場よりも高いかどうかです。
固定残業代の会社の求人票には、残業代込みの金額が記載されています。そのため基本給と残業代の内訳を把握しておかなければ、残業超過分の請求ができないことになります。
残業代が高くても基本給が低ければ、長時間労働をさせられる可能性も高いです。基本給だけを見ると最低賃金を下回っている場合もあるので、法律違反をする会社はホワイトとは言えません。
固定残業代導入企業の見極め方④企業の安定性があるか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方は、企業の安定性があるかどうかです。
きちんと利益を上げて業績が良い企業でなければ、会社の存続に関わってきます。また、会社の経営が悪化していれば、固定残業時間を超えた分が支払われない事態に陥る場合もあります。
固定残業代導入企業の見極め方⑤福利厚生は手厚いか
固定残業代を導入しているホワイト企業を見極めるときは、福利厚生が手厚いかをチェックしましょう。
福利厚生の手厚さは、働きやすさに関わってきます。企業年金や退職金、休暇制度などがきちんと整備されているかは働くうえで重要なポイントです。
特に女性にとっては、産休・育休が充実していることや、時短勤務が可能かは非常に重要です。
ホワイト企業を見極めるために、福利厚生の手厚さについて事前に確認しておきましょう。
固定残業代導入企業の見極め方⑥ホワイト企業マークが付いているか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方として、ホワイト企業のマークがついているかが大切です。
ホワイト企業マークとは、安全衛生優良企業認定のことで、労働者の安全や健康への取り組みが積極的で高い水準を維持していることを示すものです。
そのため、ホワイト企業マークを取得している会社は安心して働ける環境が整っているでしょう。
平成27年6月から受付を開始し、ホワイト企業認定の取得企業は「「優ジロウ」ホワイト企業 ・ ブラック企業一覧検索」で確認できます。
固定残業代導入企業の見極め方⑦女性の社会進出や働きやすさに配慮しているか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方の7つ目は、女性の社会進出や働きやすさに配慮していることです。
女性の管理職が多い会社や、産休・育休制度が充実している会社は、従業員を男女平等に扱い大切にしているかを見極めるポイントです。
女性の社会進出に配慮している会社は、人材育成や研修制度が十分に整備されている優良な会社であると言えるでしょう。
固定残業代導入企業の見極め方⑧平均残業時間は短いか
固定残業代を導入しているホワイト企業を見極めるために、平均残業時間が短いかを確認しましょう。
平均残業時間は求人票やホームページ等で公開している場合があります。固定残業代よりも平均残業時間が短い場合は、残業時間に対して多くの給料が得られることにも繋がります。
平均残業時間の目安は以下の記事で解説されています。
固定残業代導入企業の見極め方⑨企業の知名度やネームバリューがあるか
固定残業代を導入しているホワイト企業の見極め方の最後は、企業の知名度やネームバリューがあるかどうかです。
会社の知名度やネームバリューのある会社は、固定残業代を超過した残業代を支払わなければ、ブラック企業であることが社会的な問題に繋がりやすいです。
一方で、知名度がない会社は残業代の未払いがあっても、社会から批判されるようなこともないので改善が見込めない場合もあります。
会社の知名度やネームバリューはホワイト企業を見極めるポイントのひとつです。
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